高崎を拠点に全国で活躍するウェブマーケッター

インタビューにお邪魔させてもらった場所は、高崎市内のインキュベーションオフィス「高崎市産業創造館」。高崎市が取り組む起業支援のためのシェアオフィスだ。ここでウェブマーケティングのコンサルティング業務を行う会社を経営する関口智紀さんを取材させてもらった。話を聞いていくと、ものすごく忙しい方なんだなという事が分かったが、余裕すら感じられるくらい楽しそうに取材に応じてくれた。東京に住み東京で起業した経験や、高崎に住み新幹線通勤で東京の会社に勤めた経験を経て、今現在は高崎に住みながら、東京を中心として全国に活動のフィールドを広げている関口さん。「なぜ高崎に住みながらそのような働き方で仕事をしているのか?」という純粋な疑問から、様々な事を聞かせて頂いた。

関口智紀(35歳)

担当直入にお聞きしますが、関口さんて、東京の仕事が多いんですよね。なんで東京に住まないんですか?

俺、群馬愛してるからね。

そうですか。以前は東京に住んでいたんですよね?東京に住んでいた時と比べて、どうですか?

不便じゃないかって事?全然不便じゃないし、むしろ群馬サイコーだよ。暮らしやすいし。東京近いし。東京は住む場所じゃないね、住むならやっぱ群馬サイコーだよ。

sekiguchi3仕事は東京が多いとお聞きしましたが、今、県内の仕事と県外の仕事、どのくらいの割合なんですか?

8割が東京の仕事だね、1割は県内、残り1割が全国の地方に時々行ったりしてる感じかな。大体週に3回くらい東京に行ってるね。高崎から東京まで新幹線が1日あたり70本以上出てて乗り換えなし50分でいけちゃうし、お金安く済ませたかったらバスでも85分で池袋まで直通便出てて片道1,395円で行けちゃうよ。東京での打合せとか商談なんかだと、「群馬から来ました!」っていうと話題になるし、「わざわざ来てくれた感」を向こうが感じてくれるから、こっちの時間を大事にしてくれるんだよね。東京に行く時はいくつかの打合せをその日にまとめてスケジュール調整しておくんだ。東京の仕事の打合せは東京でしなきゃだけど、それ以外の業務は俺の仕事の場合、東京でやる必要ないから、打合せとか飲みとか以外は、大体高崎にいるよ。

関口さん東京でも会社経営をやっていた事があるとお聞きしましたが、東京で会社経営するメリット・デメリット、高崎で会社経営するメリット・デメリット、それぞれどんなものがありますでしょうか?

まず東京はね、オフィスの家賃とか、生活コストが高い。刺激はあるよ。人も情報もたくさん集まってるし市場規模も大きい。能動的に動けば仕事に繋がりそうな人脈とか、同業種の人脈も結構できやすいとは思う。でも高崎からでも全然すぐ行けちゃうからね。東京での良いところは高崎に住んでても良いとこ取りできちゃうよ。高崎は物価も安いし、生活もしやすいから、東京に居る時と比べると気持ち的に追われてないというか、気持ちに余裕ができるよね。人も温かいし、自然もあるし、食べ物おいしいし、交通の便もいいしね。

そうすると、関口さんの仕事の繋がりってほとんど東京の人なんですか?

全然そんな事ないよ。このシェアオフィスの中にWEB制作をしている会社があるから、そこに仕事をお願いしたり、この施設のインキュベーションマネージャーの田村さんに経営相談に乗ってもらったり、普通に市内の会社から仕事もらったり、市内の会社に対してセミナーしたりもしてるよ。東京だと、人の繋がりって、割と細かい繋がりがたくさん点在してる状態になってる気がするんだけど、高崎って、キーマン的な存在と繋がると、そこから芋づる式に繋がっていくんだよね。みんな地元の会社だと応援してくれるし、東京にはない「地元」の連帯感みたいなのがあるよね。

sekiguchi東京には、「地元」っていう感覚、あまりなさそうですもんね。地方移住を考えてる若者が東京に多いのも納得いきます。関口さんの周りは地方移住考えてる経営者仲間とかいないですか?

興味持ってる人はたくさんいるよ。みんな俺のこと、割と羨ましがるからね。笑 でもいざ移住するってなると色んな不安があるみたいね。純粋に、環境が大きく変わるのは怖いよね。子供でも出来れば、東京は子育てには全然向いてないから、本気で移住考えるんじゃないかな。

最後に、地方移住を検討している起業家に対して、メッセージをお願いします。

高崎って、生活面だけ見れば、東京での生活と比較すると圧倒的メリットがありますが、仕事の面で見たら、東京よりもメリットが多いかと言われたら、多くはないと思うんですよ。ただ、おそらく想像しているより、デメリットも全然ないですよ。実際住んでみると分かりますけど。あとは、高崎は、好きになれるポイントがたくさんあると思います。「これがあるから高崎に移住しました!」っていうポイントって、人それぞれ違うし、そのポイントって一個じゃないと思うんですよね。どの自治体においても言える事だと思いますが、移住を決めるのって、何個かのポイントが積み重なって、合わせ技で合格ラインを超すんだと思うんですよね。僕も「何で高崎に移住したんですか?」って聞かれたら、困りますもん。理由が有り過ぎて。笑 移住する理由って、一個じゃないと思うので、まずは高崎の色んな部分を見て欲しいなって思います、現地に遊びに来てもらって。起業の事とかなら全然相談に乗りますし。・・・こんな感じでいい?

はい。バッチリです。ありがとうございました。

仕事にも、生活にも、遊びにも、一切妥協しないその姿は、とても輝いていた。特に、場所に縛られないIT系の仕事をしている都内在住の方には、是非関口さんのライフスタイル・ワークスタイルを知って頂き、高崎への移住を考えてもらいたいと、今回の取材を通じて強く思った。

About the author

公益社団法人高崎青年会議所 広域政策実践委員会委員長。大学生時代に起業。シェアハウス事業を立ち上げ、シェアハウス業界の草分け的存在に。その後、WEB制作会社を立ち上げ中小企業の売上向上に取り組む。2013年より地元群馬県に戻り地域活動を開始。2015年統一地方選挙にて初当選を果たし、現在高崎市議会議員の一期目。

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